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bitter sweet

そろそろ風が涼しくなってきたので、ちゃんとバンホーテンの粉から練って作るココアを煎れようと思いながら、今年はまだ煎れられずにいる。先日、劇場で先輩の女優さんに、インスタントココアを熱いコーヒーでとく方法を教えてもらったら、なかなか美味であった・・。 まあ、よく考えるとようはカフェモカ味なのだけれど(笑)。 美味しかったので、一緒にいた盟友と、別の女優さんの分もせっせと煎れた。隠し味に蜂蜜を落とすとコクが出ます。お試しあれ。仲間とみんなで飲むココアは楽しい。恋人と二人きりで飲むココアは、幸せな時間なのに切なくなるような気がする。肌寒い季節の記憶とどこかで繋がっているからだろうか?どこぞの小説で読んだ一節には、「恋人といる時、幸せすぎてふと泣きそうになるのは女だけらしい。」と書いてあった。女は、本能的にその一瞬の幸せが永遠にはなりえない事を想像する事が出来るのだろう。逆に、全部食べられるかどうか考えずに、おいしそうなメニューをテーブル一杯に注文してしまうのは男だけらしい。甘くてほろ苦いすれ違い。今の幸せを満喫する力と、永遠の幸せを願う力。ふたつが絡まるから、複雑な味わいになるのだろう。ほろ苦さは人生を奥深くし、映画や小説や演劇を美味しくする。・・しかし、現実の日々についていえば、苦すぎる恋にはサヨナラした方がいい。甘味は滋養なのだ。苦さに疲れた人には、ココアにコアントローをお薦めしている。オレンジの甘いリキュールが、香りを優しくしてくれる。本当の事を言えば、ココアはひとりでゆっくり飲むのが一番好きだ。吐く息と冷えた手を温めながら、甘さとほろ苦さをかみしめる・・。秋のココアは、孤独の中にも温もりがあることを思い起こさせてくれる、大切な飲み物なのです。 小夏
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