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一年前の今日

一年前の今日は、特別な一日だった。

そしてその夜は、幸せな夜だった。
夜空の下の、風も、月も、青く咲いていた花も、生涯忘れることはないだろう。

一年が経ち、今年の今日も、幸せな夜だった。
それがどんなに特別なことかを、今夜知った気がする。

特別でないようなふりをして、日々は重なってゆく。
目にハッキリと映るのは今だけだから、過ぎた過ちのことや、神のみぞ知る未来のことを想い不安になることもあるけれど、毎年この夜は、過去と未来を素直に愛しく思えるから好きだ。

晴れた七夕の夜空を見上げていると、どこからか茉莉花の香りがする。

昔、父がくれた詩集に出てきた花。
詩集の裏表紙には、夏に生まれるわが子への想いを綴った、父の走り書きが残っている。

私が生まれる前の、父の筆跡だ。

来年の七夕も、微笑みながら生きていたい。
あの走り書きのへの、返信の代わりに。
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