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ProjectBUNGAKU、ぶっちゃけ備忘録

torominiさて、自分の座組への感謝は前エントリーで述べたとおりだが、企画全体のことについても私なりの備忘録として記しておこうと思う。
気にいらない部分があったら、お姉ちゃんの戯言だと思ってちょうだい。

普段自分を紅とも思わないが、こと今回の企画においては、折につけて紅一点というのが結構強調されており、不思議な立場だった。
微妙に居所を探した。
もともと、広田さんに声がかかり、谷君に声がかかり、ある程度話が進んでから谷君の紹介を経て参加したという、遅れて来た参加者的な自分だったわけだが、そこは一旦乗った船。
一筋縄ではいかないロックな男達と横一列になって企画の舵をとらねば、という気合自体は・・あったのよね。
でも蓋をあけたらなんかね、松枝さんを励ましながら、広田さんの怒りの声をひとり浴びながら(笑)、アフタートークでは紅一点目線で谷君をいじる、そんなポジション・役割に落ちついてしまっていた気がする。
なんか、もう少し、パッとしたことできたのかもしれないけど、企画者としてはそんな動きになってた。直前まで、自分の本公演があったのは事実だけど、何かもうひとつ、一石投じることができたらよかったな、と思う。
松枝さんが総指揮とはいえ、今回の方針としてまずは4人の演出家で協議して色々なことを決めていたのだが、そこは主張の多い我らが演出家という種族、喧嘩もあったことは事実だ。
だけど、結果それが自分を揉んで、随分逞しくしてくれたと思う。
それに、作品作りの緊張感にもなっていったんだと思う。
あと「広田さんから怒りの声を浴びた」とか書いても大丈夫だと思える関係を築けたことは良かった。(とか書いて怒られたらどうしよう・汗)
そうなのだ、喧嘩できる相手は、だんだん貴重になってゆくのだから。
うん、随分素直に赤裸々に書いたよ。
このあたりまでが製作委員会の一員としての反省とか個人的呟き(笑)。

さて、前エントリーでも書いたが自分の作品について。
と、他チームの感想。
今回は、勝負形式になっていた。以前も書いたが、私はあまりこれに乗り気ではなかった。最後まで反対してた人間だ。でも、結果的には盛り上がったんだと思う。と同時に、投票ってなんだろうという己への疑問はやはり残ったな、と思う。
得票の総数はこのような結果に・・。
ゲームということで実施された観客投票であるがやっぱり気にはなるよね。
『燈篭』は2位でした。
今回、ダルカラらしさ満載だった『人間失格』が観客投票1位であった。
個人的には、女の子達の見せ方の一部分に苦手な違和感を感じたが、演出家としての谷君の脂の乗り具合がいかんなく発揮されてた作品だと思う。
コロさんはじめ、俳優達の好演もあいまって、劇団活動休止後の谷作品を多く観ていた自分にとっては、作者の充電完了を表明するような鮮やかな新作という感想を持った。
3位の『ヴィヨンの妻』は、太宰の物語の力強さを前面に出しており、演劇を知らない人にも見やすい構成だったのが効を奏していたように思う。このあたりが、お客様にも好感だったのではないか。 主演の伊藤えみさんが初舞台とのことで、他チームながらドキドキもしたが、初日から千秋楽に向かっての彼女の役者としての成長が著しかったのが印象的。
この集計、順位ごとの得点を見てみると、下位にゆくほどに、思っていたよりもずいぶんと票が割れたんだな、というのが個人的な驚きであった。
4位となった『HUMAN LOST』は、ネット上などでは熱烈な支持の書き込みが多いし、大変強度のある作品だったし、私もかなり好感があった。
太宰の言葉がガシガシ体に入ってきた作品だ。松枝作品は残念ながら今回がまだ初見ということもあり、谷作品は他の演出家のものと比べると断然沢山観てきたので距離が近いこともあり、今回、もっとも私が新鮮な刺激と影響を受けた演出家は、実は広田さんだ。
でも、得票にすると随分極端に票が割れた結果になっている。いち個人的には謎だった。
難解だと思われたのだろうか?でも、広田さんが媚びずに自分の好奇心で作品に向かっていっていたからこそ、熱狂的なファンもいるんだと思う。

私の場合、『燈篭』についての、個人的な作戦としては、演出という面では、今回は太宰ファンが味わえるような原文の生かし方と、初めて演劇を見る人にも入りやすいわかりやすさや構造、画の美しさ、みたいなものを、いつもの青☆組より相当意識していた。
戯曲の面では太宰の文体と抱き合いながら、小夏節を散りばめることを意識した。
徳永京子さんが指摘してくれた「今度で何回目だね?」という多様な解釈のできる原作からの一言が、小夏節への架け橋とキーワードになったと思う。この言葉のリフレインで、複数のヒロインと現代女性の普遍性を結びつけるという作戦は戯曲の段階で思いついたが、大変シンプルかつクラシックな手法である。やはり、いつも以上に短編としてのわかりやすさ、シンプルさを意識していた自分を感じる。
それが、良かったのか悪かったのかは、私個人の振り返りとしては2位という順位からは判別しがたい。うちの作品はもともと鋭敏なインパクトより繊細さや柔らかさが個性でもあり、この順位は想定内ともいえよう。
それよりもなによりも、今回の会場でまったく面識のないお客さんたちに『燈篭』が面白かった、好きだった、とわざわざ声をかけていただいた時が一番幸福だった。
そして俳優達の演技に脂がのって、作品がぎゅっと締まってゆく瞬間を見たときが一番達成感があった。
観たい役者ばっかり集めて、観たいシーンが観れたんだもの。楽しかった。
自分の価値観の再確認と、1位ではなかったことと、なによりも他の演出家の3人から貰った沢山の新しい芸術的価値観を、今後の創作の糧としたいと思います。
心から。

何よりも、企画全体の評価の高さや、はじめて劇場に足を運んでくれたお客様が多数いたことが、ご褒美だったと思う。
そう思うと、今回の顔合わせ、やはりなかなかのバランスだったようにも思えてくる。
松枝さんのプロデューサーとしての人徳や手腕、広田さんの牽引力や芸術家魂や男気、谷君のカリスマ性や創作家としてのお茶目なPR能力など、企画の内側や外側にバンバン訴えて突き動かしてゆく力が揃っていたのかな、と今改めて思う。
最後に、それを支えて運んだ北澤のきぃちゃんを筆頭にした制作チームの力はやはり大きかったと思う。

ご来場くださった全てのお客様へ感謝。
私達の試みと4つの作品に出会ってくださって、本当にありがとうございました。

なにより、最後までこんな長文を読んでくれたあなたよ、本当にありがとう。
いやはや、これだけ長くなるほど盛りだくさんな企画だったのですよ。
これにて、幕。
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「Project BUNGAKU 太宰治」『燈籠』
10年9月30日-10月10日@ワーサルシアター
ご来場ありがとうございました!
『観てきた!』のご感想&応援コメント心よりお待ちしています★
profile * 小夏の呟き * 00:23 * comments(3) * trackbacks(0)

コメント

おはようございます。少し書かせていただきます。この企画を知って、ボクは、正直面白い、誰が罰ゲームやったら受けるかな、なんて妄想しました。実際、芝居を観終わってそんなことはどうでもいいと思いました。ただそこに投票用紙があるわけで、一応は書きましたが。関係者の方々や観客がこの投票結果を分析していますが、演じる順番は大きい要素の一つだったと思います。千秋楽を観て強くそう感じました。
Comment by テンタ @ 2010/10/14 8:09 AM
 公演お疲れ様でした。こちらでは、はじめましてですね。公演期間中に2回お会いして感じた吉田さんのテンションの高さは「紅」の部分から来たものであるのかとブログを読んで感じております。
 順位付けについて、これは順位をつけるこちら側にも苦痛を伴うものであったことをお伝えしたいと思います。「今度で何回目だね?」と「あなたは、いつか私を見掛ける。」というセリフの素晴らしさ・力強さ・美しさや演出・役者さん・照明など総合的に勘案して「燈篭」を1位としましたが、投票用紙を提出する直前まで「HYUMAN LOST」とどちらを1位にするかとても悩みました。他の2つにしたって差なんてほとんどないですからね。最終的には自分の好みで投票いたしました。もしもう一回観たら4演目の順位が全く変わるかもしれない、それくらい僅差で危ういものでした。
 最後に僕からのお願いです。公演終了後にお話させていただいたり写真を撮っていただいたりしているうちにうっかりTシャツを買いそびれてしまいました。Tシャツが完売にならなかったとのことですので、LサイズかMサイズが残っていたら青色本舗または何らかの形で販売していただけると嬉しいです。
 長いコメント失礼いたしました。次回公演も楽しみにしております。
Comment by うちやまようすけ @ 2010/10/14 12:42 PM
テンタさん>
演じる順番は、確かにアルバムの曲順みたいなものなので、観ている方にも影響がおおきいのかもしれませんね。
千秋楽を見て、ということはやはりラストにやるかトップにやるか、でだいぶ印象が違ったということなのかな?

うっちっちさん>
コメントありがとうございます。
投票についての細かいご感想、ありがとうございました。
Tシャツの件も、とっても嬉しいお申し出ありがとうございます。ところが、売れ残ったのは全部ガールズサイズで(><)!次回公演などで細々販売しようかしらと検討しています(泣)。
これからも、藍色、紺色のレギュラーのオリジナルTシャツや、たまには今回みたいに記念Tも作成してみたいと思いますのでぜひ公演と共にご注目くださいませ★

Comment by 小夏 @ 2010/10/14 10:06 PM
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