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朝を迎える

今朝、目覚めたときふと、思った。
いつの日か、目覚めない朝が必ず来るのだと。

眠りから朝を迎えることの不思議さを、そのまま数秒考えた。
なぜそんなことを想ったのだろう。
朝が来ない日が来るのなんて、うんと未来のことだと思って生きてきた。
だけどこの頃は、いつ誰に何がおこってもおかしくはないなと思う。
そう思うのは、年齢のせいなのか、時代のせいなのか。

死を、新しい世界での目覚めだと思うと、少しだけ愉快になる。
天国はやはりお花畑なのだろうか。
極楽浄土は白檀のような香りに満ちている気がする。
三途の川の岸辺は、霧が濃く立ち込めているに違いない。凄く天気が悪そうだ。
目が覚めた、と思った時、蓮の花が揺れるのが見えたり、鬼がギロリとこちらの顔を覗いていたり・・。
そうしたらそれはもう、朝ではないのだろう。

自分の場合は、子供の頃を一緒に過ごした柴犬が、顔を覗き込んでくれる気がする。
そう思うとなにやら少しも淋しくないな。

かつては夜が一番の友だった。
朝は苦手な時間だった。
今は夜がさほど得意ではなくなってしまい、昔より朝と仲良くなった気もするのだが、本当のことを言えば、夕暮れ時が一番好きだ。
朝へのコンプレックスは低血圧のせいではなく、どこか堅気ではない人生を進んでいる自分へのささやかな引け目なのかもしれない。
でも、朝を失う日が来るまでは、少しでも朝が楽しめたらいいなと思う。

わたしは、明日も、目覚めたい。
そう思える今日に、感謝。
profile * 小夏の呟き * 17:40 * comments(0) * trackbacks(0)

銀を磨く

抽斗を整理していたら、昔、妹から贈られた銀のネックレスが出てきた。

彼女が高校時代にアメリカ留学していた時に現地から送ってくれたプレゼントで、だから、かれこれ20年以上も前のものになる。
銀は、20代の頃に好んで着けていたけれど、しばらく着けていなかった。
月日が経ち、金の方が顔色が良く見えると思うようになったのだ。

この夏は、不思議とまた銀に心惹かれていたところだったので、まるであちらから「お久しぶり!」と出てきてくれたように思えた。
静かに時間を重ねたことで、銀はすっかり黒くなり、いわゆるいぶし銀の色になっていた。思い立って、銀磨きの布で、夜更けに磨いた。

磨きながらふと、何かの小説で、眠れない夜は銀食器を磨くとよい、というくだりがあったことを思い出した。
いや、実際に物語の主人公である女主人が、眠れぬ嵐の夜に、嫁入り道具の銀食器をひとり黙々と磨くのだったろうか・・。
物語の題名は思い出せない。
薄青い夜更けの居間で、女がひとりぼっちで銀の茶器や匙を磨いている風景だけは、なぜか目の奥に残っている。
物語の中の風景というのは、実際に見たものでもないのに、なぜこんなに鮮やかに残るのだろうか。

銀の匙をくわえて生まれて来る、という言い回しがある。
人生の幸福をつかむ赤ん坊の象徴として。
裕福な生まれつきの赤ん坊という意味もあるらしい。
あの物語の女主人の、本当の幸福はなんだったのだろう。
少なくとも、夜更けにひとりきりで銀を磨くことではなかったように思う。
眠れぬ夜は、自分にとっての本当の幸福の意味を、自分に問いかけてしまう。

想いを巡らせているうちに、ネックレスはだいぶ輝きを取り戻した。
家族からもらったものなので、お守りにしようと思い、光を取り戻したチェーンに、青いマリア様のメダイをつけた。
なんとなく、そのまましまうのが淋しくなり、銀のネックレスを身に着けたまま布団に入り、眠った。

41才になった、最初の晩のことである。



profile * 小夏の呟き * 00:55 * comments(0) * trackbacks(0)

一年前の今日

一年前の今日は、特別な一日だった。

そしてその夜は、幸せな夜だった。
夜空の下の、風も、月も、青く咲いていた花も、生涯忘れることはないだろう。

一年が経ち、今年の今日も、幸せな夜だった。
それがどんなに特別なことかを、今夜知った気がする。

特別でないようなふりをして、日々は重なってゆく。
目にハッキリと映るのは今だけだから、過ぎた過ちのことや、神のみぞ知る未来のことを想い不安になることもあるけれど、毎年この夜は、過去と未来を素直に愛しく思えるから好きだ。

晴れた七夕の夜空を見上げていると、どこからか茉莉花の香りがする。

昔、父がくれた詩集に出てきた花。
詩集の裏表紙には、夏に生まれるわが子への想いを綴った、父の走り書きが残っている。

私が生まれる前の、父の筆跡だ。

来年の七夕も、微笑みながら生きていたい。
あの走り書きのへの、返信の代わりに。
profile * 小夏の呟き * 23:36 * comments(0) * trackbacks(0)

日々を見つめて



すっかり、春。
今通っている稽古場は、のどかな住宅街の中にあり、道すがら目にする草木や花に大変癒されています。

もう、すっかり春。
この日記も、本当に久しぶりの更新となってしまいました。
振り返りたくなる素敵な出来事や書きとめたいニュースが沢山ありました。
時間差ながらも、ゆっくり綴ってゆければと思います。
でも、書き留めるにはあまりにも一瞬の出来事や、何気ないささいなやりとりが、今一番胸に沁みるようにも思います。
毎日稽古場に通えるありがたさを、この日々を、一歩づつ丁寧に進みたいと思います。

写真はある日の休憩時間の組員達。
今日も、夕焼けが綺麗です。

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青☆組 vol.23 劇団化5周年記念公演第二弾 
『雨と猫といくつかの嘘』+『青色文庫-其参、アンコール選集-』

作・構成・演出 吉田小夏
2017年5月23日(火)- 6月4日(日)@アトリエ春風舎
●詳細はこちら
●ご予約はこちら
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profile * 小夏の呟き * 22:24 * comments(0) * trackbacks(0)

夕焼け

お正月の思い出。

新年最初の夕焼けを見た場所は、懐かしい公園でした。
1月1日は今年も晴れで、日の入りは赤く美しかった。
遠くの富士山に積もる雪が、薄紅に染まっていました。

元旦はいつも、近所の公園に富士山を見に行くのです。
子供の頃から通ったその公園には、今年も妹がいて、久しぶりに父もいて、母が家で待っているのも、いつもの通り。
だけど今年は、もうひとり。
妹の夫が、同じ夕陽を見ていました。

お正月に姉妹で公園に富士山を見にゆく習慣は、いつからはじめたのだったろう?
当たり前になりすぎてしまって、思い出せません。
今年は家族が増えたことで、いつから富士を見ていたのだろう?と初めて思った。

はじまりが思い出せないくらい当たり前になってしまう、そのことの幸せを、これからも忘れずにいられますように。

一歩づつ、1月を歩んでおります。

profile * 小夏の呟き * 20:55 * comments(0) * trackbacks(0)

2016年を、ふりかえる。

あまりブログが書けなかった2016年でした・・。
大晦日の今夜、せめてひと月ごとを駆け足ながらふりかえってみたいと思います。

●1月
5年目の、海城中学校演劇ワークショップ。 当たり前ながら、学生さんは毎年違うので、やればやるほど奥が深く感じる。積み重ねさせていただいている月日を、奇跡のように感じます。

●2月
豊岡へ出張。
豊岡青年会議所の皆さんと、但馬の高校生達と、市民劇の創作のためのワークショップ。 組員のれいちぇるが、アシスタントで参加してくれた。
れいちぇるにアシスタントをお願いするのも、もう何回目だろう。
各地でワークショップをする時の、安心のタッグ。感謝。
前年に、高校生アートチャレンジで一緒に演劇をした但馬の高校生達や、KIAC、豊岡市民プラザ、など地元の劇場の素敵なメンバーとの再会が嬉しかった。この市民劇は、豊岡と韓国の全州との50年の交流の歴史をモチーフにしたお祝いの作品で、タイトルは『ヒョンニムへの手紙』。ワークショップと並行して、上演台本の執筆準備もスタート。
ラジオドラマ『星降る教室』の執筆も始まる。
クレハのコミュニティサイトの企画で、WEBムービー用の短編脚本も執筆。
このWEBムービーには、組員の藤川修二が出演。

●3月
再び、豊岡へ。
ラジオドラマ『星降る教室』も、市民劇『ヒョンニムへの手紙』も、執筆佳境に。粘ってうんうん言っていた月。
そんななか、劇作家協会の”月いちリーディング”という企画で、トークゲストではなく、久々に演者として出演。
ト書きを読ませていただく。緊張したけど、楽しかった。
まぁ、なかなか出演のお呼びはかからないだろうと思うけど、やっぱりパフォーマーである時間は楽しいな、と噛みしめる。

●4月
豊岡にて『ヒョンニムの手紙』本番。
青年会議所の皆さんも、高校生達も素敵だった。但馬の言葉と歴史を入れた舞台をみんなと作れて幸せだった。
出演もしてくれたれいちぇるに、韓国語の台詞を少しだけ書いたことも、楽しい思い出。
あの台本は、自分でも好きだった。あれっきりなのはちょっともったいないな・・いつか何かに生かしたい。
帰京してすぐ、劇団うりんこ『のぼるはがんばる』再演に向けた稽古で名古屋へ。
さらに帰京してすぐ、ラジオドラマ『星降る教室』収録など、出張がとても多い月だった。
夏の、”こどもに見せたい舞台”『モモ』が情報公開に。

●5月
『モモ』ひたすら執筆の日々。名作との格闘は悩みもしたけど、原作の魅力と向き合い続ける豊かな時間だった。
他、アフタートーク出演、戯曲講評のお仕事など。
月末に、ついに『モモ』顔わせ。
”こどもに見せたい舞台”10周年目のバトンを受け取ったことの重みと喜びを噛みしめる。

●6月
『モモ』の稽古開始。
スタッフワークの打ち合わせと、ひたすら稽古の日々。
にしすがも創造舎での稽古は、本当に素晴らしい環境だった。
ANJの手腕に唸りながら、いちアーティストであることに没頭できる幸せな日々。

●7月
『モモ』の稽古中、一時の夏休みをいただき、劇団うりんこ『のぼるはがんばる』再演のため名古屋へ。
クリスマス公演からはじまった『のぼるはがんばる』を再演できるチャンスがあることに感謝。
新キャストでの演出がえがあったが、新メンバーの女優さんのガッツが素晴らしかったので、二人三脚で楽しく挑戦できた。
ラジオドラマ『星降る教室』放送。ラジオドラマは、録音もできるし、先に完成品のCDをいただけるのだけど、やっぱり放送日時にオンタイムで聞くのが最高に幸せです。

●8月
『モモ』本番。モモにはじまり、モモに終わった夏という印象でした。
私にとっても劇団にとっても新たな挑戦で、プレッシャーが無かったと言えばうそになるけれど、組員が全員出演してくれたことや、青☆組でずっと組んできたスタッフさん達も参加してもらって、ついに初日を迎えたことが、素直に嬉しかった。
子供達との毎日の出会いは、夢のような日々でした。
シリーズ最多動員数というご褒美をいただき、逆に、この”こどもに見せたい舞台”シリーズの、10回目までの歴史の素晴らしさを感じた。久々に、千秋楽後に真っ白に燃え尽きる感覚がありました。
月末からは、On7『Butterflies in my stomach』学校公演の稽古。

●9月
青☆組の劇団化5周年記念企画第一弾『パール食堂のマリア』稽古開始
初演の時と同じく、横浜へのフィールドワークからスタート。
根岸外人墓地にて、 GIベイビー達のお墓と再会。かつてそこにあったはずなのに、消えてしまっていた十字架も。5年の月日を感じて、上演への想いが一層強まった。
On7と青☆組の稽古を同時進行しながら、間で名古屋に出張。
『のぼるはがんばる』ファイナル公演を。沢山再演できたことに感謝。
うりんこでの2作目の作品だったので、感慨深い千秋楽でした。
またいつか、『クリスマストイボックス』みたいに、オリジナルのものも作ってみたい・・。
月末は、On7『Butterflies in my stomach』学校公演本番。
大好きなOn7のみんなと静岡に旅をして、楽しかった。
学生さん達、本当に一生懸命観てくれました。

●10月
青☆組『パール食堂のマリア』の稽古の日々。
半分以上が初出演の方という刺激的な稽古場だった。
5周年記念グッズなどもたくさん制作し、充実しつつも目の回る忙しさだった。

●11月
『パール食堂のマリア』本番。
初めて、芸術鑑賞会で中学生の皆さんにご来場いただいたり、文化庁芸術祭へ参加して審査員をお招きしたり、新たな挑戦の多い本番だった。二度めの吉祥寺シアターでの上演。その機会があることが、本当に幸せだった。
千秋楽までを駆け抜けてのち、高校演劇コンクール、都大会の審査員。兵庫県大会の審査員。
兵庫では、土田英生さんと共に審査員をし、劇団を続けること、作家として生き続けることなどについて、お話しする機会があり、とても刺激を受けた。

●12月
公演後の残作業色々。
劇作家協会リーディングフェストにて、トークゲスト。
家族の結婚式。

そして、 そしてなにより、来年に向けての日々。
あっという間に大晦日。

今年も、皆様のおかげで駆け抜けた一年でした。
沢山のご縁に感謝。

profile * 小夏の呟き * 22:50 * comments(0) * trackbacks(0)

聞かせてよ愛のことば


”Parlez moi d'amour”
『パール食堂のマリア』のお稽古で、今回、声のウォームアップに使っている歌です。

わたしの作品にはいつも、裏テーマソング(執筆時にだけ聞く)と、表テーマソング(劇中で歌ったり)というものがあります。
この曲は、『パール食堂のマリア』の裏とも表ともつかぬイメージソング、という言い方が一番近いかもしれません。
歌詞を使って歌う場面は劇中どこにもないのですが、曲と作品の結び目になればと思って、久々に歌の意訳をしてみました。

(メロディにあわせて歌えますが、とても意訳なので、フランス語に馴染みのある方は原曲の詞を、シャンソンに興味のある方は、様々な歌手の方が歌う日本語バージョンをぜひ検索してみてください。)

今回の作品には、親子の愛も、男女の恋も、愛とも恋とも言えないような、大きな慈愛のようなものも、・・沢山の、祈るように人を想う気持ちが織り込まれています。

逞しく生きる、路地裏の市井の人々の物語です。
どうか、劇場の中の町に、そこに生きる人々に、会いに来てください。

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『聞かせてよ愛のことば』
作曲者: J. Lenoir
作詞者: J. Lenoir
意訳:吉田小夏

聞かせてよ あの 甘いことばを
話してね その 優しい声で
聞きたいの 朝も夜も そう 「大好き」と

この世は 嘘だらけと
泣いてた ひとりの日々よ
恋の歌 忘れて
あなたの声なら 信じたくなるの
愛のぬくもりも 星への願いも

聞かせてよ あの 甘いことばを
話してね その 優しい声で
聞きたいの 朝も夜も そう 「大好き」と


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青☆組 vol.22 劇団化5周年記念公演第一弾 
平成28年度文化庁芸術祭参加公演
『パール食堂のマリア』 作・演出 吉田小夏
2016年11月1日(火)- 7日(月)@吉祥寺シアター
●詳細はこちら
●ご予約はこちら(吉田小夏 専用)
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profile * 小夏の呟き * 23:28 * comments(0) * trackbacks(0)

5年目の港で



夏を振り返る間もなく、秋が来てしまいました・・。

私は毎日、元気に過ごしております。
2016年の8月、9月、愛しい夏とその名残についても、いつかきっと書き記せたらと思っております。

10月の私は、粛々と、『パール食堂のマリア』の稽古の日々です。
自分にとって大きなターニングポイントのひとつとなったこの作品で、劇団化5周年の記念公演を迎えられること、本当に幸福に思っております。

初演から続投してくれる組員達、そして劇団の新人・土屋杏文も加わり、劇団としても、今回の公演で新たな一歩を刻もうとしています。
素晴らしい客演の皆さまの力をおかりして、日々、この物語に新たな命を灯しております。

こちらの日誌で、出演者のみなさまのことや、5周年に寄せていただいたお祝いのコメントも紹介しております。
ぜひ、覗いてみてください。

季節に追い越されてしまわないように、深呼吸。
この秋を、いつにもまして大切に過ごしたいと感じています。

また少しづつ、作品の誕生秘話や、舞台になった横浜のエピソード、座組のことなど、本番に向けて綴れたらと思います・・。

皆さま、秋の吉祥寺でぜひお会いしましょう。

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青☆組 vol.22 劇団化5周年記念公演第一弾 
平成28年度文化庁芸術祭参加公演
『パール食堂のマリア』 作・演出 吉田小夏
●詳細はこちら
●ご予約はこちら(吉田小夏 専用)
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profile * 小夏の呟き * 13:50 * comments(0) * trackbacks(0)

モモと歩く日々

6月は突風のように過ぎ、今年もまた、7月がやってきました。

7月は、わたしにとっていつも特別な気持ちになる季節です。

今年の7月は、モモと歩く日々。

8月の[子どもに見せたい舞台vol.10]に向けて、俳優陣と日々稽古に励んでいます。

ミヒャエル・エンデの原作の素晴らしさを再発見しながら、「モモ」の世界を戯曲に昇華させてゆく時間は、楽しくも悩ましい、格闘の時間でもありました。

原作をもとにオリジナル戯曲にする作業はけして初めてではないし、むしろ得意だと思っていたのですが、今回は特に、自分のことばと世界観を、そして演劇観を、なんども見つめ直すことになりました。

熟考から抜けられなくなりそうな時は、エンデが演劇に深い愛着を持っており、舞台俳優の経歴を持っているということが、大きな心の支えとヒントになりました。

小夏版の翻案台本『モモ』は、エンデの演劇への愛情を勇気に、普段の青☆組とは一味違いつつも、とても私らしい戯曲になったと思います。

原作の生かし方、そして原作との違いを、たのしんでいただけたら幸いです。

自分にとって、30代最後の戯曲となり、40代最初の演出作品となるのが、『モモ』という作品であることに、とても大きな巡りあわせのようなものを感じています。

この作品を通して、沢山のこどもたちと、そしてかつてこどもだった皆さんにお会いできる8月が、今から心待ちでなりません。 親子はもちろん、大人ひとりでも、充分お楽しみいただける作品です。皆様、8月はぜひ劇場でお会いしましょう!

(写真は、プレ稽古期間に、座組の皆で原作の感想を紹介しあうために描いた絵と、一緒に・・)

 

profile * 小夏の呟き * 23:55 * comments(0) * trackbacks(0)

目を、とじてみる。

このところ、何を着ればいいのか悩ましい。
夏のような真昼の日差しと、日が落ちた後の寒さに、翻弄されてしまう。
結局、薄着すぎたり厚着すぎたりして、残念ながら少し風邪気味です。

風邪気味な上、執筆の時期は肩も腰も凝りやすいので、今が盛りの野草のどくだみを摘んできて、薬湯のお風呂を試している。
これが、温まってなかなかいい。漢方では十薬ともいわれるどくだみ、さすが。どくだみは、手作り化粧水もつくれるらしい・・。
と、どくだみに妙に心惹かれたりもしていますが、私は今、『モモ』の上演台本に向かい合う日々です。

『モモ』は、としまアート夏まつりで上演されます。子供と大人が一緒に観るお芝居です。
とても楽しみな企画なのだけど、名作を原作に戯曲を書くことについて、予想以上の格闘が続いている。
たいへんなのはわかっていたけど、ふと、考え込んでしまう瞬間が多い。
瞬間がいつのまにか数時間になっていたりもする。
こんなことは書き物をしていれば、いつもありうることなのだけど、時間が過ぎるとどうしても弱気になってくる。
や、弱気くらいで動揺していてはいけないのだ。
強がりすぎて疲れてしまうのも、またよろしくない。
そもそも自分が、むやみやたらと強がれない人物であることを、そろそろ受け止めていかなければならないとも思う。

また、話がそれてしまった。
こんな有様ではあるが、悩みつつ試行錯誤しながら取り組む中で、『モモ』の世界に救われている自分もいる。

特に、耳を傾ける、ということについて。
モモは、聞くことにかけては類まれなる力をもっている。
その聞き方は、肯定でも、否定でもなく、共感で寄り添うのでもなければ、客観で突き放すのでもない。
目の前にあるものを、じっと見つめるように、ただただ無心に相手を受け止め続けているような、そんな聞き方のように思う。
それが、本当の意味で見つめ合うということなのかもしれない。

全身で、世界に耳を澄まそうとしてみた。自然と、目をとじてしまった。
すると、湯水のように暮らしの中に溢れている情報から、少しのあいだ開放される。
肩の力が抜け、優しい気持ちになるのがわかる。
・・目から情報に触れ続けることは、本当に疲れることらしい。
一瞬でも離れると、はっとそのことに気がつく。

目を閉じ耳を澄ますことが、こんなに身体に優しいことだなんて忘れていた。
私は最近、波のようにやってくるニュースや情報に負けて、大切なことを少し忘れやすくなっているようだ。

よくない。
深呼吸して、今日も、そっと目を閉じてみる。

 
profile * 小夏の呟き * 13:31 * comments(0) * trackbacks(0)
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